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すギョい映画

ブレットトレイン」と「さかなのこ」をはしごして見てきてどちらもとても楽しんだんですけど、さかなのこの余韻が色んな意味ですごかったので頭空っぽで楽しめるブレットトレイン→余韻のあるさかなのこの順で見てよかったなと思う。

さかなのこ、さかなクンの自叙伝の大幅に脚色された映画化なんですけど、作中のさかなクン相当のミー坊はのんさんが演じてて、さかなクン本人も…出るんですけど…

ギョギョおじさんってなに!???!?
子どもたちから「親の死に目に会えなくなるので親指を隠して帽子を褒めて逃げろ」って言われてる不審者扱いの近所のおじさんを本人にやらせている。やばい。

でもこのギョギョおじさんって本当によくできたキャラで、作中のミー坊との対比で「大きな才能があるがなにかひとつかけちがえば普通でない生き方で異常者扱いされてたような人」に対する描写がめちゃくちゃ真摯だったしご本人がやってることにとても意味があったように思う。こういう役で出るということはきっとご自身でも自覚的なのだと思う。ギョギョおじさん、前半最大のカオスなんですけどラストに繋がってとても熱い。漁港のギョギョおじさんのところとかラストの小学生に追いかけられるミー坊とか大好きだ。
自叙伝の映画化で本人が不審者演じるのマジで何???と思ってたけど環境が違えばそうなってたかも?とか不審者と呼ばれるような人もただやばい存在じゃなくて人生があってひとりの人間なこととかラストのミー坊の受け入れられ方とかマジでめちゃくちゃに意味があるのですごいよギョギョおじさん…

あと作中通して普通に考えたらめちゃくちゃしんどいような出来事もしんどくなくさらっと描かれてたり、あえて描かないことで視聴者にでもこれってそうだよな…って想像させてるのがとてもすごかった。それこそギョギョおじさんの件とかマジでミー坊視点からだからめちゃめちゃファンシーなんだけど親からしたらマジで心配ってレベルじゃなさすぎる(作中だとお父さんの視点ではそうだった)。あと大人になってからのレストランのシーンとか。

最後まで見て結果としてとてもいい映画でちょっと泣いちゃったんだよな。不器用な生き方だけど好きなものに夢中な人生を肯定してくれる人たちとか、いろんな優しさが重なって今のミー坊に至るのはとてもいい話だった。
ただ、そういう側面をしっかり描いてるけど、説教臭かったりしなくて楽しい映画なのもすごく良かった。高校時代のヤンキーたちとの流れ、良すぎ。カブトガニ!アジ!網!イカ!
タイトル回収のタイミングがめちゃめちゃ変なとこだったのも笑った。
主演ののんさんの演技もとても良く、すんなり作中のミー坊と我々の知ってるさかなクンがつながったのもとても良かった。

今は原作をちまちま読んでます。シチュエーションは違えどタコのエピソードがマジなのやばいな!?

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カテゴリー: 感想 雑記