お~い!



2026-02-09 18:12:57
文字サイズ
文字組
フォントゴシック体明朝体

お~い!


 コウセイくん、いつもタイミングが悪いんだよね。
 
 直接会いに来てはくれないけれど、あれからもウルトラマン…ソラトさんは姿を表して怪獣たちと戦っている。私たちKSSITの状況や作戦を把握していて助太刀してくれるようなこともあるし、きっと今もどこかでずっと見てくれてるんだとは思うんだけど。

 ソラトさんが現れる時にコウセイくん、いつもちょうど現場にいない。
 顔つき合わせて小言の一つでも言えたらいいのに、って一番思ってるのってコウセイくんじゃないのかな。今日もソラトさん、コウセイくんの顔も見ずに青空の向こうに飛んでいっちゃった。コウセイくんどこ行ったんだろう。これから現場の事後調査もあるし持ち場離れてウロウロするの、私の助手ってことだし、そろそろひとこと言ったほうがいいのかも。
 
「お~い!」
 そんな事を考えていたら手をぶんぶん振りながら瓦礫の影からコウセイくんが小走りで帰って来る。

「コウセイくん、どこ行ってたの?」
「いや…あの…人命救助???的な???」
 もう!逃げ遅れた人とか助けてるなら無線でこっちにも連絡してくれたらいいのに。手伝えることだってあるかもしれないし。あのゾメラとの戦いで絶対…その…きっともうソラトさんだけじゃなくてコウセイくんも帰ってこないって思ってたのに、無傷で帰ってきた時は本当にびっくりしたけど、あんな心配人生で何度もしたくないし。こっちの気も知らないでしどろもどろで額の汗とか泥を拭いながらヘラヘラ答えるんだから…本当にそういうのやめてほしいな。

「コウセイくん、私、一応上司だから言っておくね。」
「え?」
「社会人の基本は!『報』『連』『相』!」

    ***

 へっへっへ、コウセイ、誤魔化すの下手だなー。
 おれの時はもっとうまく…おれがうまくやってたわけじゃないか。コウセイが誤魔化してくれてたもんな。

 ふしぎだなー、ふたり別々の時はなんとかなってたけど、自分のことになると上手に誤魔化せなくなるんだなぁ。意外とひみつにするのってむずかしいだろ。どこからどこまで言ってよくて、どこから言っちゃダメなのか、これが結構わかんないんだよな。

 まー、またバレちゃったらその時考えよう。いつかみたいにさ、話すこと相談してカンペ作ってさ。アユ姉になら話しても多分悪いことになんないと思うし。なっ!

🚫転載禁止(投稿URLの共有は可)/Don't reupload my art.

1
いいね!