世間的評価としてプロジェクト・ヘイル・メアリーは面白いかもしれんが「とにかく読め」しか言わない人たちは超つまんないです(勧め方への文句)

※悪口の記事
ネタバレもあるし、いつもと違って面白かった作品のハッピー感想じゃなくてあんまり自分にはハマんなかったし既存ファンに対してぶーたれてる記事なので「肯定的感想以外は許さない!」って人はここで帰ってください。
さようなら!

原作を上巻まで読んで、映画を見てその上でいやワイはあんまり…だったのですがまあそれに関していろいろあるので書いておこう。

とにかく読め、うぜ~

この作品は原作ファンがネタバレ踏まずに読んでほしいという気持ちが暴走しており「とにかく原作を読め!」の空気ができてて、映画の公式が原作者引っ張り出してきて物申すくらいにはなっていた。自分はそういう同調圧力がマジで嫌いでこういうスタンスだった。

https://x.com/hisanori_natano/status/2020855118753681564?s=20

で、まあ、そんなこと言ってたら、仲の良いフォロワーさんがきちんとここが面白いよってレコメンドしてくれてそれで読むか…!という気になったのですが、

  • 訳書特有のあの感じの文かなり苦手

  • 内容がそんなに刺さんなかった

  • とにかく原作を読め勢のせいでハードルぶち上がってた

などの理由で「これいつおもんなんねん…」と思ってたらヌルっと上巻が終わってしまった。まっとうに勧めてくれたフォロワーさんには申し訳ないし、世間的名作が自分にはツルッツルってこともあるしそれは仕方ない。

で、自分はオタクの同調圧力的なものすごく苦手で、ここ数ヶ月の読め読め圧がかなりノイローゼ気味で、もうとにかく世間のとにかく読め圧力から抜けたかったし、下巻に全然食指動かんかったのでもう映画を見るか…となって処理のつもりで映画を見たんですが映画のほうはまあまあ良かったです。原作でだり~なげ~これいつおもんなんねん…ってなったとこバッサリ圧縮されててよかった、日本だったら主人公は大泉洋だったなって言われてるのもわかる、もう一声頑張って2時間にしてくれてたら好きな映画だったと思う。映画もおそらくはこのあと「今年見るべき映画!」として同調圧力されるんだろうなと思うので初日に抜けられてよかったです。やっと解放された気持ちだぜ。

ただ「とにかく読め」って言ってたオタクのうざさに対する怒りはメーター振り切れてしまったと思います。

映画配給のほうが布教がうまいと思う

予告編が出た時に「原作読み終わるまで公式をミュートしろ」みたいなのも流行っててうーーーーーーーーわとなってたのですが、最終的には原作者が出てきて鶴の一声で内容への言及が少しハードル下がったように思います。

結果として映画公式のほうが正しかったと思います。

上巻までしか読んでない+映画を見て思ったのですが、SFギミック的な部分って結構マジックアイテム的に解決してしまうし、刺さってない人間でもこの作品の実際のおもろいところって人間(広義)ドラマやろと思うので、ネタバレされても自分でちゃんと見てちゃんとキャラに愛着湧いて心理的に入れ込まないとわからんタイプのおもしろじゃん…と思うんでなんであんなみんなネタバレ防止に躍起になってたのか本気でわかりません。

地の文の妙とか細かいSFギミックで状況を把握していく部分、自分には長くてダルいな…ってポイントだったのですが、そこが面白いって人もいるわけで、それって実際読まないと好悪わからない部分なのでそれがいち消費者がちょっとしたネタバレくらいでつまんなくなると思ってるならすげー傲慢だなと思います。

なので「とにかく読め!」って言ってた連中よりも映画公式のほうが作品の布教うまいだろ!と思います。

特に私はネタバレ防止に躍起になるくらいなんだから「星を継ぐもの」的なエーッ!!となる展開があるのかなと思ってたら別にこう…なんか…なかったのでがっかりしてしまったところがあり、ちゃんと最初から「友情物で冒険ものだよ」と勧められてたらもっと楽しめた気がします。

ネタバレ防止はあくまで優しさであるべき

シンエヴァとかがそうだったかと思うんですが、鑑賞者がネタバレを気にするあまり口コミが広がらないので公式サイドもとっととネタバレ解禁してしまうというのが最近は多い気がします。

私はこの風潮かなり賛成で、お金を払って合法で作品を見た人は作品の感想を述べることも大事な視聴体験のひとつだと思うからです。それでもネタバレを避けた感想を述べることもあります。

ネタバレ配慮って自分と同じ初見の感動を仲いい人とか身近な人にも味わってほしいって優しさであるべきだと思っていて、例えば、「ものすごいファンなのでなるべく早く見に行きたいけれどお仕事の都合で初日には行けない…!」とかの人に内容を丸々伝えてしまうのは意地悪だなと思うし、推理もので犯人やトリックを暴露してしまうのは推理ものってジャンル自体に冷水かけてるじゃろとは思うので、「優しさでのネタバレ配慮」は全然あっていいと思います。

でも先にも述べたように「プロジェクト・ヘイル・メアリー」において、あの過度なネタバレ防止は意味があったか甚だ疑問です。ネタバレされて面白さが毀損されるような内容でもないと思うし、表紙とタイトルで流石に「何らかの宇宙に関わる遠大な計画の話なんだな」ってわかるし上巻の初っ端の図なので原作時点でも早川書房さんもそこは共有して販促しようと思ってたんではないでしょうか。本があの感じでそのへんをネタバレされたらおもんなくなるって思われてたなら他人の読解力をバカにしすぎです。SFオタクくんって賢い人の書いた本読んで自分もちょっと賢くなった気になってるからそういうとこあるよな。

だいたい原作が出てもう5年経ってて評判いいのに読んでない人間はそもそも食指動いてないので「とにかく読め!」では読まねえよ!!!!!!

これ導入めっちゃなろうとかの追放ものと導入構造自体は一緒なのでライト文芸レーベルから出てたら「学会を追放された僕はひとり宇宙に投げ出されて親友を得て惑星を救う」とかのサブタイつけられてたと思う、し、そうだとしても別におもしろさ毀損されんでしょと思う。し、なんならそのサブタイがついてたほうが読む人いると思う。

ネタバレされないで初見視聴が至高なんてことも別にないと思います。
仲の良い友達が興奮気味におもしろかった!!ここが好き!!って感想言ってるほうが興味持つことなんてザラにあるのではないでしょうか?

ネタバレって無関係な他者への強制力であるべきではないだろと思います。合法なやり方で最速で見た限りは消費行動としては口コミが正しいだろと思います。ああいう勧め方本気で嫌だなと思ったので、ちゃんと好きな作品の好きなところは言っていこうと反面教師にします。

私はガルパン劇場版を「甲子園は決勝だけ見てもおもしろいから見たほうがいいよ」って言ってくれた人とか、超かぐや姫!を「序盤40分の共感性羞恥に耐えれば名作」って言ってくれた人に本当に恩義を感じているのでネタバレ避けるにしても「ここがいいよ」をちゃんと言える人でありたい。

プロジェクト・ヘイル・メアリーも「主人公は宇宙で一人ぼっちだったはずなのにこれは友情モノになって激アツなんです!」とか言われてたほうがもう5年経ってて読んでねえ人間には訴求力あったと思う。

この作品のこの内容見て勧め方が「有無を言わさない強制」なのはおかしいだろ

必ずしも娯楽からすべてテーマや教訓を得ろとは思わないのですが、あんなド真ん中に言葉を尽くしてコミュニケーションを取り共に苦難を乗り越えることで絆が醸成されるのが軸に置かれてる作品の勧め方が「とにかく読め」って強制のディスコミュニケーションなのはアッこの内容見て行動がそうなるんだ…という人間へのガッカリ感があります。

あんま刺さってない人間でもわかる、あのコミュニケーションを尽くすことが物語の根幹である作品を勧める行動が「強制」と「ディスコミュニケーション」なのほんま勧め方間違ってるな~と思います。

下巻読んでないので下巻の内容が原作と映画で大きく違うんならまあこれ無駄な発言なんですけど、カタコトで不完全な翻訳でもちゃんと意思疎通試みてお話して一緒に苦難乗り越えたからグレースとロッキーは友達になれたんやろくらいは刺さってない人間でもわかるんですが、そこをいいと思ってるはずなのに、なぜかグレースに注射ブスリで宇宙に強制的に飛ばす側のムーブしちゃうのなんでさと思います。彼らは結果としてそれがいいと信じてるし実際結果としては成功だったけどディスコミュニケーションで強制されたグレースがどんな気持ちになってたかみたいなの全然現実では全然慮れないんだ、そっかぁ…という気持ちです。

あの作品をいいと思ったなら拙くても自分がいいと思ったところを言葉や行動を尽くして、でも根幹のネタバレをして楽しみにしてる相手を傷つけたりはしないように、複雑なコミュニケーションをきちんと乗り越えてレコメンドするのが正しかったのではないでしょうか。それこそあの手この手で意思疎通試みて絆が生じたグレースとロッキーの物語である所のプロジェクトヘイルメアリーの何見てたんでしょうか?

あの作品のメインのとこ気に入ったのに他者とちゃんと話して意思疎通を図ろうって方向と真逆に突っ走って行くの、作品をおもろいなって思うのとテーマとか教訓を得るのって別腹なんやな〜と思います。

おわりに

オッ他責ゥ~!!って言われるならそれでもいいんですが、「ネタバレをされること」よりも「ネタバレを避けるあまりにとにかく読め!と乱暴に強制される」ほうがよっぽど作品の面白さを毀損してたなと思います。

こういう時に障害の話を出すのってズルだと思うんですけど、私はASD特有の気質で読め読め言われてたせいでずっとこの作品を読まなければいけないっていうのが頭の隅に残タスクとして残ってて数ヶ月間ものすごいストレスでした。これは私の特性なのでまさかそんな風になる人がいると思わんやろうししょうがないのですが、映画見終えた感想が面白かったつまんなかったより先に「処理ができた」になったのすげーよくなかったです。楽しいよ!って勧められてたらハマらんまでも、素直に好悪言えたと思う。

正直なところ、絶対評価で数字出したらどちらかと言えばあんま刺さってない自分でも作品は中の上くらいにはおもしろかったんかもしれないんですが、ネタバレ箝口令とか略称大喜利とかオタクがおもんなさすぎるから作品のこと思い出そうとするとおもんないオタクのことも思い出すのでトータルおもんないな…になってます。既に読んで楽しんだ人同士できゃっきゃする分にはそれもいいと思うんですが、まだ読んでない人にもそういうムーブしてくる人が多かったのほんまよくなかったです。

いち消費者が面白くある必要はまったくないんですが、マイナスの方向に突っ走っていくことないやろがい。なんかこう、ここ数ヶ月は、すごい、オタクの傲慢で嫌なとこ見た気がするぜ、自分が一言内容に触れるだけで作品のおもしろさがすべて毀損されると思ってるの傲慢すぎる、そんなわけないだろ。

あまり距離が近くない他者とのコミュニケーションでも身内のジャーゴンでショートカットしようとするの、ほんとにオタクのよくねえとこだよ。

たぶん2026年の今よりも2035年くらいに金ローとかでやってくれた時にたまたま見たら自分も素直に面白かったなって言えると思います。